これまでの常識は忘れよう グローバル時代で勝つ人材の流儀#6Photo:Aiko Suzuki,Mlenny/gettyimages

米シリコンバレーを拠点に、世界中のベンチャービジネスや起業家に関わり、その隆盛を間近で見てきた校條浩氏。特集『グローバル時代に勝つ人材の流儀』(全6回)の最終回では、#1から#5まで、5人の識者との議論で見えてきた日本企業の病巣とその克服の鍵、今後必要な人材の流儀について総括する。

30年間変わらない日本企業
5人の識者に共通する「流儀」

 日本の高度成長期が終わりを迎えた1990年代から30年、企業の活力が一貫して衰えてきたことは、今や誰でも知っていることだ。それにもかかわらず、なぜ企業の行動が一向に変わらないのか。ビジネスモデルだけではなく、経営に関する意思決定や、人材登用、採用、教育といったヒューマンリソースの経営形態は、30年前からほとんど同じだ。

 この30年の間、企業環境は激変してきたが、その間も日本企業の仕組みや考え方が、ほとんどそのまま温存されていることに驚かされる。

 規模や業種を問わず、全ての企業は、デジタル化によりグローバル規模で激変した新しいパラダイムでビジネスを行い、成長していかなくてはならない。このようなグローバル時代を担う人材に求められる「流儀」とは何だろうか。今、その問いに全てのビジネスパーソンは正面から向き合う時だ。

 この問題意識を持って、本特集ではグローバル時代を語るにふさわしい、各界の専門家5人に話を伺った。それぞれ経営学(#1入山氏)、ベンチャーキャピタル(#2郷治氏#5ガンディ氏)、教育(#3藤原氏)、企業経営(#4藤井氏)と立場は異なる。しかし、グローバル時代に求められる人材に関する問題意識と、その人材像は、異口同音に驚くほど共通していた。