米ニューヨーク市マンハッタンの商用不動産仲介大手SLグリーン・リアルティの幹部は最近、投資家との電話会議で、マンハッタンのオフィス市場の回復は「すっかり青信号」だと語った。だが、こうした楽観論にはまだ早いと思われる傾向が二つある。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先週、既に飽和状態にあるマンハッタンのオフィス市場で、転貸スペースを放出する企業に資産運用会社ステート・ストリートも加わったと報じた。エクササイズ用バイクメーカーの米ペロトン・インタラクティブや保有不動産の処分を試みている百貨店チェーン大手メーシーズをはじめ、テナント企業は以前から同様の動きを見せている。米金融大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)はオフィス復帰に積極的な姿勢を見せているが、JPモルガンはオフィスビル「4ニューヨーク・プラザ」で70万平方フィート(約6万5000平方メートル)ほどを転貸しようとしている。