日本各地で少子高齢化が大きな課題となっている。特に「まち」としての魅力が低下した地域からは若者の流出が進み、流入が減少することによって人口が減少、地域の疲弊につながる。
このような背景においても地域が「持続度」を維持すること、すなわち「消滅しない」ためには、そこに住む住民視点での居住や生活の豊かさなどに対する意識に注目すべきであろう。住民の多くがその地で暮らすことに幸福を感じ、生活に満足し、愛着を持って、ずっと住み続けようと考えているなら、その地域は消滅から逃れることができるはずだ。
ブランド総合研究所は、都道府県ごとに住民の幸福度や居住意欲度、悩みや地域の課題、自治体のSDGsへの取り組みの評価などを数値化する調査『第3回地域版SDGs調査2021』を実施。調査において地域の持続性に関する4つの指標(幸福度・生活満足度・愛着度・定住意欲度)の平均値を、都道府県の「持続度」として算出した。
つまり、4つの指標が高いほど「まち」の持続性が上がり、他県に移住したい人が少ないため「消滅しないまち」と考えることができる。
今回は、この「持続度」の高い都道府県から順にランキングした「消滅しない都道府県ランキング」をお届けしよう。
※調査を行ったのはブランド総合研究所。アンケートは全国の男女約450万人の調査モニターの中から15歳以上を対象に、2021年5月1日~5日にかけてインターネットで調査を実施した。各都道府県の住民それぞれ350人ずつ回収し、調査時点で移転などの理由によりその地域に居住していない人を除く計1万6300人の有効回答を得た(回答時点で各都道府県に居住していない人は「無効回答」とし、集計から除いた)。
沖縄県が2年連続1位
2位以下を大きく引き離す
「消滅しない都道府県ランキング」1位は、前年に引き続き沖縄県(持続度〈以下同じ〉78.8点)。前年の75.5点より3.3点も上昇している。2位が北海道(78.0点)、3位は福岡県(77.5点)がランクインした。2位と3位共に昨年と同順位であり、持続度の高い道県としての評価が定着している。
また、4位の熊本県(76.2点)は前年の71.5点から4.7点も上昇し、7位から順位を上げた。5位の石川県(74.2点)は、前年よりも点数は上昇したが福岡県、熊本県ほどの伸びがなく順位をひとつ落とした。しかし、生活満足度で初の1位となったほか、他の指標についても評価が高い。