危機感が高い
海沿いの都道府県

 4位にランクインしたのが高知県(26.8%)だ。今後30年以内に7〜8割の確率で発生すると予測されている南海トラフ地震への危機感が背景にあると推測できる。南海トラフ巨大地震の被害想定によれば、静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7となる可能性があり、それに隣接する周辺の広い地域では震度6強から6弱の強い揺れになると想定されている。

 また、田中社長は、「日本は地震国であることに加えて、台風など自然に対する課題を強く感じている人が多い。特に太平洋側や西日本の都道府県では、地震(津波)や台風(水害)に対して恐怖心が強いといえる」とも語る。

 台風のみならず、昨今、各地で水害を引き起こしている線状降水帯は、海から暖かく湿った空気が吹き込み、それが山にぶつかって雨を降らせる積乱雲を発生させるなど、地形が多分に影響する。また、地域を流れる河川の特性などで被害の状況も変わってくる。

 逆に、ランキング下位に目を転じると、47位は前年同様に富山県(5.5%)、46位は滋賀県(7.9%)、45位は奈良県(8.4%)だった。自然災害への課題が少ない県に、日本海側や海に面していない県が多いのは、ひとつの特徴といえる。

(ライター 西嶋治美)