本当に大切なことは増えていかない

話は変わりますが、先日、2016年に公開された渡辺謙さん主演の映画『怒り』を観ました。
すごくいい映画なんですが、けっして気持ちが軽くなるような内容ではありません。

吉田修一さんのミステリー小説を映画化したものなのですが、ざっと内容を説明しておくと、こんな感じです。

東京の八王子で起きた殺人事件の現場に「怒」の血文字が残されました。
事件から1年が経過しても未解決のまま。
渡辺謙さん演じる洋平と宮崎あおいさん演じる娘の愛子が暮らす千葉の漁港で、松山ケンイチさん演じる田代と名乗る青年が働き始めて、やがて田代は愛子は恋仲になりました。
洋平は娘の幸せを願いつつも、どういう人物かわからない田代に不安を拭えませんでした。
すると、八王子の凄惨な殺人事件のニュースが……。

俳優さんたちの演技が素晴らしくて、上手に曖昧な部分もあって、とても考えさせられる映画でした。
この映画で、こんな主旨のセリフがあって、アテクシの心に残ったんです。

「人間っていうのは、本当に大切なことは増えていかない。減っていくんだ」

なるほどな~、と思いました。
大切なものって、大切なものだからこそ、気軽には増えていかない。
気がつかないまま、失われていくもののほうが多いんです。

アテクシはよく「放す」ってことが大切だと言っているのですけれども、いろいろなことを手放しながらも、本当に大切なことだけを残していく。
どうでもいいことと、大切なことをゴチャゴチャにしたまま抱えていると、本当に大切なことを大切にできなくなってしまいます。
そんなことを映画『怒り』を観て、あらためて思いました。

そういうわけで、あらためて今日のひと言は、
「他人の言葉は生産的かどうか、それが大切よ」
でした。

参考になったかしら?