「みんなと同じようにできない自分」を責めなくていい
別に、皆が「いいね!」という「素敵な生活」のために自分の生活方針を変えたり、憧れられたい! という気持ちで暮らす必要なんてありません。
エコでシンプルで、お洒落でていねいじゃなくても、自分がラクで幸せでのんびりできるなら、無理をしてわざわざ疲弊する生活を選ばなくていいのです。
「みんなと同じようにできない自分」を責め続けることもナンセンスです。
チョコレートが大好きで、それを食べればちょっと笑顔になれるのに、「この体形ならダイエットしないと……」とか「皆に言われるだろうし、やっぱりチョコレートなんて食べちゃいけない」と思ってしまったら、本来は幸せになれる大好物が、食べるたびに罪悪感を背負わせる毒のようになってしまいます。
もしもダイエットのため、「できるだけ食べないようにしよう」と決めるなら、逆に週に一回だけ「チョコレートデー」をつくって、我慢した自分を褒めながら食べたほうが私はいいんじゃないかと思います。そうすれば、いろんな幸福感を失わなくて済みます。
もっとラクな生き方に必要なのは「自分がこうしたら快適だ!」を感じることです。
もちろん理想に向かってコツコツ努力することも大切です。
しかし、やり方や方向を間違えて結局、得られるものよりもストレスのほうが大きくなるだけであれば、それはあなたにとってやる意味のないことになります。
重要なことは、「自分がちょっといいなと思える生活を、その通りにすること」です。
そこに他人の価値観とか評価なんて、本来1ミリも入れる必要はありません。他人の言動に惑わされて、自分の「好き」をねじ曲げる必要などないのです。
POINT:
もっとラクな生き方に必要なのは「自分がこうしたら快適だ!」を感じること。
元内科の精神科専門医 中高生時代イジメにあうが親や学校からの理解はなく、行く場所の確保を模索するうちにスクールカウンセラーの存在を知り、カウンセラーの道を志し文系に進学する。しかし「カウンセラーで食っていけるのはごく一部」という現実を知り、一念発起し、医師を目指し理転後、都内某私立大学医学部に入学。奨学金を得ながら、勉学とバイトにいそしみやっとのことで卒業。医師国家試験に合格。当初、内科医を専攻したが、医師研修中に父親が亡くなる喪失体験もあり、さまざまなことに対して自信を失う。医師を続けることを諦めかけるが、先輩の精神科主治医と出会うことで、精神科医として「第二の医師人生」をスタート。 精神科単科病院にてさまざまな分野の精神科領域の治療に従事。アルコール依存症などの依存症患者への治療を通じて「人間の欲望」について示唆を得る。現在は、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症、パーソナリティ障害などの患者が多い急性期精神科病棟の勤務医。「よりわかりやすく、誤解のない精神科医療」の啓発を目標に、医療従事者、患者、企業対象の講演等を行う。個人クリニック開業に向け奮闘中。うつ病を経験し、ADHDの医師としてTwitter(@DrYumekuiBaku)でも人気急上昇中。Twitterフォロワー4万人。『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』が初の著書。