乱戦状態のがん保険マーケットに
ひまわりとなないろが新がん保険を投入
栄枯盛衰――。医療保険やがん保険などのいわゆる第三分野での商品開発競争が激化し、保険ショップなど乗り合い代理店では売れ筋商品が目まぐるしく入れ替わる事態となっている。
むろん、商品開発競争は今に始まったことではないが、その傾向をより強めたといえるのが日本生命保険傘下のはなさく生命保険だろう。2019年6月に、開業後初商品となるはなさく医療を発売したところ、他社商品のいいとこ取りを徹底したことなどが奏功して医療保険マーケットを席巻、スタートダッシュを決めた。
ところがだ。はなさくの躍進に感化された住友生命保険傘下のメディケア生命保険が、医療保険を大幅に改定して一気にシェアを奪還、その後は独走状態となった(「日本生命が子会社はなさくの販路拡大『ゴリ押し』、なないろも参戦で代理店大乱戦」。はなさく医療を上回る商品スペックで巻き返したメディケアは、悲願の保有契約件数100万件を達成するに至っている。
さらに、メディケアはがん保険でも攻勢を掛けた。斬新な保障でがん保険市場を牽引してきたチューリッヒ生命保険をターゲットに、今年6月に「メディフィットがん保険」を投入、「生保21年度1Q決算出そろう、大手4社『営業力分析』と代理店市場の『異変』」で報じたように、メディケアがシェアを大きく伸ばしている。
他にも、根強い人気を誇るFWD富士生命保険の「がんベストゴールド」に加え、今年4月には、最高600万円の診断一時金を支払うことで注目を浴びたオリックス生命保険の定期タイプのがん保険「Wish(ウィッシュ)」など、がん保険市場はいまや混戦状態。そうした中で、SOMPOひまわり生命保険と朝日生命保険の子会社として新たに開業したなないろ生命保険の2社が、戦略的ながん保険を10月に相次いで投入する。まさに、がん保険市場は戦国時代に突入するわけだ。
では、ひまわりとなないろが投入する新たながん保険とはどういった商品なのか。特徴的な仕組みを備えただけでなく、予防から治療後のケアまでカバーするひまわり。開業後スタートダッシュの使命を帯びたなないろの2種類のがん保険――。次ページ以降で、それらの全貌を明らかにしていこう。