生命保険大手4社20年度決算分析、子会社生保の躍進&リスクヘッジ姿勢で際立つ住友

金利、株式、保険の全てが
良い状況だった生保決算

 新型コロナウイルスのまん延によって、20年度の日本経済は2度の緊急事態宣言の影響をもろに受けた。

 ところが、外食産業や旅行業界、運輸業界など売上高が急減し、存続すら危ぶまれた業種と違い、生命保険業界は保険料等収入の急激な落ち込みは見られず、想像以上にコロナ耐性が強かった。大手生保には数百万~千万件に上る保有契約があるため、新契約の落ち込みを十分にカバーしたかたちだ。

 加えて、新型コロナウイルスによる死者数は、米国などと比べて格段に少なく、生命保険会社にとってのインパクトは小さかった。実際、死差益は増加している。

 福岡大学商学部教授で保険アナリストの植村信保氏は、「超長期金利も1年前と比較して上昇しており、株と金利、保険の三つの全てが良い状況という、今まであまりなかった状況だった」と20年度の生保決算を総括している。

 では、早速次ページから、営業面と運用面の二つの視点で、生保各社の20年度決算を振り返ってみよう。