銘柄分散と時間分散で期待値を実現しよう

 個別銘柄を1回で購入すると、たまたまその企業が衰退企業であったり、たまたま購入したタイミングが株価のピークであったり、といったことが起こり得るかも知れない。

 もちろん、たまたまその企業が急成長したりして大きく儲かる可能性もあるわけだから、幸運に賭けるという投資家はそれで良いだろう。

 しかし、老後資金を大切に増やしたいと考えるならば、儲かるか損するかわからないというリスクを減らし、期待値通りの「ささやかだが確実な利益」を目指すという考え方が重要だ。

 そう考える投資家は、銘柄分散と時間分散を心掛けるといい。多くの銘柄を少しずつ、しかも一度に買わずに時間をかけて少しずつ買えば、儲かる銘柄も損する銘柄もあるだろうが、全体としては期待値に近い結果、すなわち「ささやかな利益」が得られる可能性が高まるだろう。

 実際には、多くの銘柄を買うためには巨額の資金が必要なので、投資信託を購入するのが現実的だ。だから筆者は投資初心者に「老後資金は投資信託の積立投資で」と勧めているのである。

 本稿は、以上である。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織などとは関係がない。また、当然ながら投資は自己責任でお願いしたい。