そんなバラ色な河野氏に見えますが、思わぬ伏兵が3つ潜んでいます。自身が所属する(1)麻生派内での敵、(2)官僚の敵、(3)石破氏の敵、の3つです。

 次の選挙の顔として河野氏で戦うことになれば自民党はまた圧勝できるという思いからも、若手から厚い支援を集めるわけですが、河野氏より当選回数が上のベテランには「河野だけは許さん!」という方も多いのです。

 特に自民党内で脱原発論者として有名だった河野氏はエネルギー族の皆様からは反感を抱かれており、その方々から足を引っ張られそうです。

 そして、行政改革も激しく進めていたので、官僚からも反感を抱かれています。官僚対策はけっこう怖いポイントです。もしも河野内閣が誕生しても官僚たちから足を引っ張られる恐れがあります。

 さらに、石破氏と手を組むと安倍前首相陣営などを敵に回すことになりますので、非常に難しいところでもあります。いずれにせよ、圧倒的な国民・党員の人気を武器にどこまで戦えるかが肝になるでしょう。

 さあ、このような顔ぶれの3人が現時点で自民党総裁選にノミネートされていますが、数日後に迫った告示日までに、私の同期の中から誰か候補者が立ってくれたら面白くなるのに、と思っています。

 福田赳夫元首相の孫であり福田康夫元首相の息子である福田達夫氏、女性初の自民党青年局長の牧島かれん氏あたりは、ぜひとも立候補してもらいたいですね。

 2012年衆院選の初当選組は不祥事が相次いだことから「魔の3回生」と言われていますが、「魔」の議員はもう国会内には(たぶん)いないので、これからの政治家としての手腕に注目していただきたいですね。

 いよいよ告示を目前に控えた総裁選。注目すべき点は「若手が気合を見せるのか、ベテランが意地を見せるのか」という政局になってくると思います。ぜひ、ご注目を!