「週末起業」を絶対に勧めたい、3タイプの人たちとは写真はイメージです Photo:PIXTA

仕事がら、多くのビジネスパーソンとお会いします。中には「この人、週末起業すればいいのに」「週末起業をしないのはもったいない! 絶対損している」という人がいます。筆者がそう思うのは、具体的にどんな人なのか、今回はその特徴を挙げてみたいと思います。(経営コンサルタント 藤井孝一)

専門知識を生かして
資産運用のアドバイス

 先日、中堅の不動産会社で働くOさん(40代・男性)とお会いしました。彼は、典型的に週末起業をお勧めしたいタイプです。彼の仕事は、法人相手にビルやマンションなどの建設用の土地を仲介する仕事です。部下を抱えながら自らもプレイングマネジャーとしてノルマに追われる日々です。成績がいいため、同世代の平均給与をはるかに上回る収入を得ているそうです。

 しかし、Oさんは仕事の内容には不満があるようです。本来やりたかった仕事ができていないからです。もともと独立志向が強く、いずれ個人を相手に資産管理のアドバイスをする専門家として活躍したいそうです。そのためにファイナンシャルプランナーの資格も取りました。

 ただ、その資格は会社では生かせません。また、役職が上がるにつれてマネジメントや会議など社内向けの仕事が増え、ますます仕事への不満が募りました。

 ある日、仕事の関係で郊外の地主と知り合いました。その人は不動産を中心に大変な資産を保有しています。そのため寄ってくる人はたくさんいますが、営業マンばかりで、まともに相談できる相手がいないと嘆いていました。

 そこで、Oさんは自分の知識を総動員してアドバイスをしてあげました。不動産や有価証券をはじめとした資産運用、節税から金融機関との交渉方法まで、幅広くアドバイスをしました。

 Oさんの会社では、個人相手の個別の相談などは事業の範疇でないため、Oさんの本業の顧客にはなり得ません。そのため、純粋に利害度外視でアドバイスできました。フラットな意見と高い専門性が評価され、定期的にアドバイスを求められるようになりました。Oさんの人柄もあって、最近では自宅の増改築や子供の就職相談、親の相続の相談までされているといいます。