フィットネスのカーブスが「多額の無形固定資産」を抱える戦略的理由Photo:PIXTA

コロナ禍で利用者数の減少など大きな打撃を受けたフィットネスクラブやスポーツジム。これらを運営する企業の経営状況はどうなっているのか。セントラルスポーツ、Fast Fitness Japan、カーブスホールディングスの決算書を見ると、同業種といえどもそのビジネスモデルや戦略には大きな違いがあることが分かった。(中京大学国際学部・同大学院経営学研究科教授 矢部謙介)

フィットネスクラブの
決算書の特徴とコロナ禍の影響

 今回は、フィットネスクラブ、スポーツジムを運営するセントラルスポーツ、Fast Fitness Japan、カーブスホールディングス(以下、カーブスHD)の決算書を比較してみよう。フィットネスクラブやスポーツジムはコロナ禍で退会者が増えているともいわれているが、最近の経営状況はどうなっているのだろうか。

 セントラルスポーツは、1964年に開催された東京オリンピックの競泳代表選手であった後藤忠治氏(現代表取締役会長)により1969年に創業されたフィットネスクラブの草分け的存在である。現在は、セントラルフィットネスクラブやセントラルスイムクラブなど、フィットネスやスイミングスクールなどの店舗を展開している。

 Fast Fitness Japanは、米国に本拠地を置くエニタイムフィットネスの日本におけるマスター・フランチャイジー(地域内での加盟店を募集する権利を与えられた当事者のこと)として、日本で同事業を展開している企業である。

 カーブスHDは、「女性だけの30分健康体操教室 カーブス」を運営している企業である。カーブスは、もともとカラオケボックスなどを運営するコシダカホールディングス(以下、コシダカHD)が手掛けていた事業であるが、2020年3月にスピンオフ(コシダカHDが保有するカーブスHDの株式を、現物配当としてコシダカHDの株主に分配すること)によりコシダカHDグループから分離独立し、東証1部に上場した企業である。

 ここからは、ビジネスモデルの違いや成長戦略などに着目しながら、各社の決算書を見ていくことにしたい。