そして最終的に河野氏と高市氏が正反対のような政策を打ち出してくれたおかげで、決選投票となれば、高市票が岸田氏へと流れることになるのです。

 派閥力学の及ばなかった今回の総裁選挙は、基本的に「人間関係」と「政策」の2つで決まることになるでしょう。

 総裁選挙の1回目の投票で自分たちの「推し」が落選してしまった陣営の票は、決選投票において、もちろん人間関係の近い候補者を支持することはあり得ますが、政策的により近い候補者に流れていくでしょう。つまり、高市陣営は河野陣営と考え方がかなり対極にありますので、高市陣営が岸田氏へと流れることになるのです。

 これらの3つが岸田氏勝利の要因です。

 いずれにせよここからは衆院選に突入です。

 今回の衆院選はこの総裁選フィーバーの熱が冷めないうちに行われ、結果として自民党が大勝するだろうと予想しています。

 さらには来年夏の参議院選挙もありますが、安全運転の岸田内閣は参議院選挙も乗り切ることでしょう。

 総裁選挙で見せた新しい岸田氏による政権運営の手腕に期待したいと思います。

(元衆議院議員 宮崎謙介)