不要?生き残る? ITベンダー&人材 大淘汰#10Photo:Teera Konakan/gettyimages

主要ITベンダー17社の予想営業利益で成長力を順位付けすると、2位はNTTデータ、首位は株価も絶好調の意外な老舗企業がランクインした。年収ランキングでは2社が1000万円超となった一方、両方とも最下位だった残念な企業の存在も浮き彫りに――。特集『不要?生き残る?ITベンダー&人材 大淘汰』(全16回)の#10では、成長力と給料の両面から業界内格差を明らかにした。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

「成長力」首位は意外な老舗IT企業
年収と共に最下位の“負け組”も判明

 弱肉強食のITベンダー業界にあって、どの企業が真の勝ち組といえるのか――。

 この疑問を解き明かすべく、市場関係者による3期先までの予想営業利益(IFIS市場コンセンサスデータ)に基づく成長力を算出。さらに、直近と3期前の年収も比較して、それぞれ全17社をランキング化した。

 つまり、これからも成長する企業なのか、年収は伸びたのかという観点で序列を示した。すると業界内格差の拡大ぶりが如実に表れるとともに、意外な結果が浮き彫りとなった。

 成長力ランキングで2位となったのは、国内の政府系案件や金融分野を牛耳りながら手堅い成長を続けるNTTデータ。このところはグローバル展開も加速させており、3期先の予想営業利益の伸び率は66%という高水準だ。

 だがランキング首位の企業は、NTTデータをしのぐ8割近い営業増益が見込まれている。その「勝ち組」は、意外な“老舗”IT企業だ。老舗にもかかわらず、この1年は株価の上昇が続き、9月下旬には上場来高値を更新している。長年かけて構築したモデルが今、花開きつつあるのだ。

 年収ランキングについては、2021年3月期の各社の平均年収で順位を付け、併せて3期前からどれくらい増えたのかも記載。直近の平均年収が1000万円の大台を超えたのは2社で、掲載した全17社において3期前からの年収は増えた。一方でなんとも残念なことに、業界ではよく知られた大手企業ながら、成長力・年収ランキングとも最下位で、3期前からの年収増加額も最も低い「負け組」の存在も判明した。

 次ページには、成長力、年収それぞれの主要上場ITベンダー17社のランキングを掲載。投資家も同業者も気になる、データに基づいた最新の業界序列を一挙に明らかにしていこう。