初心者向けのオーソドックスな投資は、毎月一定額の投資信託を積み立てる手法だ。株価が高いときに休み、安いときに多く買うためには、残高の目標を決めるといい。(経済評論家 塚崎公義)
投信の積み立てがリスクを軽減
株式投資にはリスクがあるが、投資初心者でも投資信託の積み立て投資を行うことによってリスクを軽減することが可能だ。
投資信託は、プロが小口の資金を集めて多くの銘柄の株を買い、結果を(手数料を差し引いて)投資家に返すという仕組みなので、零細な投資家でも結果として多くの銘柄に投資したのと同じ効果を得ることが可能である。どれかの銘柄が暴落しても、他の銘柄が値上がりすれば大けがをするリスクは小さい。
しかも、毎月積み立てれば、株価が高いときも安いときも買うことになるので、投資した時が運悪く株価が高い時だったので大損した、といった目に遭う可能性も小さいはずだ。
投信の積み立てのメリットについては拙稿を併せてご参照いただければ幸いである。
もっとも、株価が高いときには無理して積み立てる必要はないし、株価が安いときには多めに積み立てる、という方が合理的に思えるだろう。自動的に積み立てるのではなく、毎月給料日に株式相場を見て高ければ休み、安ければ多めに買えば良いわけだ。
問題は、投資初心者に株価の割安割高が判断できるか否かである。株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)といった指標が、株価の割高、割安を判断する基準としてしばしば用いられているので、それを参考にすれば、ある程度は自分で判断することも可能だろう。たとえば、平均株価のPERが過去10年の平均より2割以上高ければ休み、2割以上安ければ2倍買う、といった具合である。