米連邦準備制度理事会(FRB)は中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行に関する利点やリスクについて、早ければ今週から検討作業を開始する。この問題に対するFRB当局者の見解は分かれており、デジタルドルが早期に登場する可能性は低いとみられている。デジタルドルはビットコインなど民間の仮想通貨とは異なり、ドル紙幣やコインと同様にFRBが発行および保証することになる。デジタルドル発行を支持する人々は、金融システム内での資金移動がこれまでよりも迅速になり、コストも低下すると主張する。銀行口座を持たない人々も対象になるため、政府の金融支援も行き渡りやすくなるという。ラエル・ブレイナードFRB理事は9月27日、全米企業エコノミスト協会(NABE)での講演で、デジタル通貨導入を検討している他の主要国・地域に後れを取らないことも重要との認識を示した。「国際的な決済におけるドルの支配的な地位を踏まえると、米国がそうした状況下で席につかないことは想像しがたい」