茨城県が再び最下位に
IT・先端技術のイメージ活かせず

 点数の伸びでは、北海道の次に大きかったのが、4位の東京都だ。ブランド総合研究所の田中章雄社長は「本調査直後に開始となった東京オリンピック・パラリンピックの影響の可能性が大きい」と話す。

 次に点数の伸びが大かったのは千葉県で、順位も前年の21位から12位へと急上昇した。「とても魅力的」の回答が11.0%で前年の3.9%のおよそ3倍増となっている。特に20代では24.6%と多く、前年の6.3%のおよそ4倍に増えたのが特徴的だ。

 長崎県も前年の11位から8位へと上昇し、すべての年代で評価が高まっている。また、同じ九州地方の宮崎県は前年の22位から17位へとランクアップ。「とても魅力的」が9.4%で前年の4.4%から2倍以上に増えている。特に九州や中四国地方の居住者からの評価が目立っている。

 一方、下位に目を移すと、前年最下位の栃木県は41位(16.2点)となり、最下位から抜け出した。そしてワースト3位は、45位埼玉県(14.4点)、46位佐賀県(12.8点)、47位茨城県(11.6点)となり、茨城県は1年で最下位へと立ち戻る結果となった。

 ブランド総合研究所の田中章雄社長は、「コロナ禍の影響により、近場の観光地が見直されている一環で、栃木県の観光意欲度(本記事では紹介していない)も上昇しており全国順位では39位[h1]と過去最高となっている。ただし、上昇したといっても魅力度の41位や観光意欲度の39位というのは、栃木県の潜在力や地域資源を考えると、あまりにも低すぎる」と述べる。

 確かに栃木県は、日光や那須などの魅力のある観光スポットがたくさん存在する。「それらの観光スポットを『栃木県』と連想されていないのかもしれない。そうであれば、県内の観光地とうまく連携させて、『栃木県の観光資源』としてのPRを強化していくことが必要なのではないだろうか」(田中社長)。

 そして、前年の42位から再び最下位に転落してしまった茨城県については、「前年の調査では、前前年に行われた茨城国体で史上初めてとなるeスポーツを取り入れた。また、茨城県公式バーチャルYouTuberの茨ひよりが活躍するなど、『デジタル県』としてのイメージが高まったことで、20代など若い世代からの評価が急上昇し、大幅な順位上昇につながったといえる。

 ところが、今年は、コロナ禍の影響でオンライン化が全国に広がったことにより、こうした茨城県の強さが薄まってしまったのではないだろうか」と分析した上で、次のように続ける。

「ただ、筑波研究学園都市を擁し、『IT・先端技術の地域』のイメージは、全国5位と高い評価を得ている。それをうまく活用できればもっと評価が高まると思う。それから、茨城県は西日本からの認知度が低いなど、低評価が目立っている」