緊急事態宣言の効果の国際比較

 日本の緊急事態宣言は自粛要請と休業支援だけで、諸外国のような強制力を持たないので効果が弱いといわれているが、実際はどうだったのだろうか。同じGoogleモビリティの人流データで国際的に効果を比較してみよう。こちらでも乗換駅を共通の指標に選んだ(欧米では、日本ほど公共交通機関が利用されていないが、それでも日本と同じように動いている)。この指標は、時系列で見るには正しいが国際比較で見るには正しくないとGoogleモビリティに注記されているが、コロナ以前の人流と比べてどれだけ低下しているか示している点では世界共通である。そこで、この指標である程度は比較できるとしてフランス、ドイツ、イギリス、日本を比べてみたのが図2である。

 図2を見ると、日本は要請ベースの緊急事態宣言で、強制力を持つフランスやドイツと同程度の人流抑制効果があった。フランスの第1回の緊急事態宣言では、確かに強い効果があったが、その後効果が薄れている。  イギリスは、初期には感染することで集団免疫を得る作戦を採用していたが、実際には人流の低下は大きかった(イギリスが最初にロックダウン、都市封鎖したのは20年3月23日)。これは科学者の反対などがイギリス国民の行動に影響を与えた結果かもしれない。バーミンガム大学のウィレム・ファン・シャイク教授によると、「集団免疫の効果を目指すには、少なくとも3600万人が感染し回復しなくてはならない。……控え目に見ても数万人、場合によっては数十万人が死亡する」と述べたとのことである(「イギリス独自のウイルス対策、『国民の命を危険に』と多数の科学者反対」BBC NEWS Japan、2020.3.15)。ドイツは日本と大して変わらない。