今年これまでのところ、自信に満ちた消費者はスーパーマーケットの値上げを受け入れているが、消化不良のリスクは高まっている。生活必需品メーカーにとって、値上げは神経を使うものだ。世界最大の食品会社であるスイスのネスレは20日、7-9月期(第3四半期)の売上高が前年同期から6.5%増となったと明らかにした。同社商品に対する需要は旺盛で、プラスチックや輸送費などの投入コストの上昇を買い物客に転嫁することができている。これは健全な価格決定力の表れだ。ネスレ株はこの日、取引序盤に3%上昇した。ネスレの売上原価は今年、約4%増加する見通しだ。つまり、包装材からトラック輸送まであらゆるものにわたって、総額18億スイスフランの追加費用が発生することになる。フランスの乳製品大手ダノンは19日、今年の投入コストが8%上昇すると述べた。この差はおそらく、両社が何を売っているかで説明できるだろう。ネスレが展開する大規模なコーヒー事業は、ヘッジによって商品(コモディティー)コストの高騰から守られている。もっとも、ヘッジ効果は間もなく薄れるだろう。