衆院選が19日に公示され、31日の投開票に向け、激しい選挙戦に突入している。ダイヤモンド編集部は自民党が今年3回実施した全選挙区を対象にした情勢調査の資料を入手。内部資料では、自民党の候補者を10ランクで格付けし、当落の可能性を予想している。この「候補者格付け」の一覧をエリア別に全9回にわけて公開。まず北海道・東北エリアについて紹介する。(ダイヤモンド編集部 総選挙取材班)
自民が「議席減」織り込んだ10月調査
与野党伯仲の「激戦区」が50以上
自民党は過去3回の衆院選で大勝したが、今回の総選挙では岸田文雄首相は勝敗ラインを「与党過半数(233議席)」と定め、276議席の公示前勢力からの減少を織り込んでいる。新型コロナウイルス対応での逆風や野党の候補者一本化などが背景にある。
厳しい戦いとなることが予想された衆院選の突入前、自民党は候補者調整などを実施し、「勝てる候補」の絞り込みを進めた。この絞り込みの基になったのが、全国の289の小選挙区を対象に自民党が今年10月7~10日に実施した情勢調査である。
ダイヤモンド編集部が入手した情勢調査は、調査の時点で、すべての小選挙区に出馬が想定された有力候補の支持率に加え、自民党の候補者がすべてA~Dの10段階で「ランク付け」されているのが特徴だ。
ランクは対抗候補者との支持率の差を基に付けられている。野党の候補者に支持率で15ポイント以上差をつけていれば「A」、10~15ポイントの差なら「A-」といった具合だ。
「B-」までは対抗候補者を支持率で上回っており、「C+」以下は負けている。B、Cランクは対抗との差が小さい「当落線上」の候補者と言えるだろう(図参照)。
全選挙区の動向を見ると、与野党候補の支持率の差が数ポイントしかない「激戦区」が50以上にのぼる。加えて、4月と8月に実施した過去の調査に比べ、支持率を詰められてランクが下がっている候補者もいる。
今回は、北海道・東北の選挙区の動向を紹介する。自民党の大臣経験者などの重鎮や立憲民主党の小沢一郎氏など野党の大物議員はどれだけ支持率を固めているのだろうか。