日本からは見えない
余剰アパレル問題の深刻
21世紀に入り、世界中でアパレル業界の主役が交替した。百貨店や伝統的専門店が凋落し、圧倒的低価格を武器にファストファッションが主流となった。Eコマースも台頭した。
低価格での大量生産、効率的なロジスティックス、魅力的なプロモーションなど、ファストファッションやEコマースの成功には多くの賛辞が寄せられる。
しかし、ファストファッションやEコマースが成長するとともに、余剰アパレルという環境問題が深刻化していることは、日本では広く共有されていない。アパレルは生産段階で余剰となるだけでなく、売れ残り商品も余剰となる。また余剰アパレルは、焼却によって廃棄されるが、焼却にはCO2の発生が伴う。
日本で余剰アパレルが問題視されないのは、余剰アパレルが途上国で処理され、日本から見えないためだ。余剰アパレル問題は、我々から「外部化」されている。