●介護保険「高額介護サービス費」

 介護保険は、原則的に65歳以上の人が介護を必要としたときに、食事や入浴の介助、機能訓練などのサービスを受けられる国の制度だ(末期がんや関節リウマチなど老化による病気が原因で介護が必要になった場合は40~64歳の人も利用できる)。

 1ヵ月に受けられるサービスは、要支援1~2、要介護1~5の合計7区分に分かれており、介護度に応じて4万9700円~35万8300円まで利用できる。利用者は実際に使った介護費用の1割を負担する。

 ただし、低所得の人でも必要な介護が受けられないことがないように、1ヵ月の自己負担額には所得に応じた限度額が設けられており、介護費用が高額になった場合は「高額介護サービス費」から、超過分を払い戻してもらえる。

 たとえば、介護度が要介護5で介護サービスを1ヵ月に35万円分使うと、自己負担は3万5000円だ。しかし、年金収入が80万円以下で家族全員が住民税非課税の人などは高額介護サービス費の上限額が1万5000円なので、申請すると2万円が払い戻される。対象者には市区町村からお知らせがくるので、忘れずに申請を。

 このように医療にも介護にも費用を抑える仕組みがあるので、「医療費や介護費がたくさんかかった」と思ったら、まずは高額療養費や高額介護サービス費の対象になっていないか、加入している健康保険や介護保険の窓口に問い合わせてみることが大切だ。

医療と介護ダブルでかかった人には
さらに自己負担を軽減できる制度も

 さらに同時期に医療も介護もかかったという人には、医療費と介護費の自己負担額を合算して払い戻してもらえる「高額医療・高額介護合算制度」を利用することも可能だ。

 高額医療・高額介護合算制度の対象になるのは、8月1日~翌年の7月31日までの間に自己負担した健康保険と介護保険の合計。まずは健康保険の「高額療養費」と介護保険の「高額介護サービス費」で還付を受けた上でなお、合算制度の限度額を超える人は、その超過分を払い戻してもらえる。

 合算制度の限度額は年齢や収入によって異なるが、70~74歳で一般的な収入の人の場合は、1年間に自己負担した医療費と介護費の合計が56万円を超えると払い戻しを受けられる。