「いい人」をやめて疲れない人間関係を築く、ハッピーな距離のつくり方自分も相手もハッピーになる対人距離のつくり方とは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

レビュー

 面倒な仕事も嫌な顔ひとつしないで引き受けてくれる、疲れているのに愚痴を長々と聞いてくれる、急なランチの誘いにも喜んで来てくれる……そんな友人や同僚はいないだろうか?いや、もしかしたら「これ、自分だ」と思った方も多いかもしれない。

『なぜ、あなたは他人の目が気になるのか?』書影『なぜ、あなたは他人の目が気になるのか?』 根本裕幸著 フォレスト出版刊 990円(税込)

 心当たりのある人は、間違いなく「いい人」である。そんなあなたは、本書のタイトル『なぜ、あなたは他人の目が気になるのか?』にドキッとしたことだろう。心理カウンセラーである著者・根本裕幸氏のもとには数々の相談が寄せられるが、「いい人」からの相談が驚くほど多いという。そうした人たちは他人の言動に振り回され、人間関係に疲れ、人のいい笑顔の陰で深く悩んでいるそうだ。

「いい人」たちに共通するのは、自分と他人の間に線引きができていないことである。互いに無理のない関係を築くには、それぞれが自分の軸にしっかり立ち、適度な距離感を保ちながら付き合う必要がある。だが「いい人」たちは境界線を越えて相手の領域に入り、自分の立ち位置を見失ってしまうのだ。本書では「自分軸」「他人軸」という表現を使って、自分も相手もハッピーになる対人距離のつくり方を、一つひとつ丁寧に説いていく。

 もしあなたがまわりに気をつかいすぎてしんどい思いをしているなら、本書から多くの学びがあるだろう。自分のためにも周囲のためにもぜひ一読してほしいと思う。(矢羽野晶子)