会社員の生涯収入は2.5億円といわれている。「老後資金2000万円問題」が国会で問題になったが、公的年金だけでは老後生活の不安は消えない。働かずして資金を増やすのは、そう簡単ではない。筆者は自宅マンションでそれを実現することを指南しており、その実現性は今のところ99%を超えている。それは再現性があるがゆえに、その気になれば多くの人がかなえることができる。(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)
自宅で資産形成できると思う人は
年代で分かれる
自宅購入での失敗の最たるものはバブル崩壊である。1980年代後半に家を買った人はほぼ全員大損をしている。年齢でいうと、現在60~70代になる。自宅で多額の含み損を抱える不幸な世代である。
しかし、現在40~50代の人は大方自宅で含み益を出している。この違いには、購入タイミングが最も大きく寄与することは確かだ。この年代の購入後は価格が底堅く、上昇幅が大きいので、含み益が生まれやすい。
ここで理解しておいてほしいことは、バブルは二度と起こらないということだ。バブルはどうして起こったかというと、不動産価格の評価を取引事例比較法だけで行うからである。取引事例比較法とは、ある土地の価格が2倍になったら、その周辺の土地の価格も2倍になるという天井も底もなく振れ幅が非常に大きい評価法である。21世紀に入って、不動産投資信託に関連する法律ができて、不動産評価の主流が「収益還元法」に変わった。不動産価格は賃料がいくら取れるかということや、借入金利で決まるというものだ。取得した不動産の収益性が基準となって、土地は取引されるようになった。
こうして、一定の幅の中でしか不動産価格は動かず、賃料の高騰と金利の低下で今の不動産価格が高いことを説明できる。つまり、バブルはもう起きないように天井価格は抑えられるようになっているのだ。