タイのお母さんのつくるデザートからヒントを得た「ソルティライチ」、ハンガリーのフルーツスープから発想した「とろとろ桃のフルーニュ」などが、他に類を見ないヒットシリーズになった飲料商品です。

 この開発担当者の女性は、あるとき

「女性である私たち自身が、本当においしいと思えるものをつくれているのだろうか?」

 という「問い」を持ったそうです。

 そこで「そもそも、おいしいとは何か?」を定義しようとして出てきたアイデアが、「家庭料理」。つまり、お母さんの味でした。そして新商品にするために、どこにでもあるものではなく、自分たちがワクワクできるお母さんの味とは何かを考えた結果、「世界の家庭料理」に行き着いたのだそうです。

 仕事をしていると「当たり前」のことが増えてきます。その中で、あえてそれを疑って、本質的な問いをしたことから、ヒット商品が生まれた一例だと思います。

「真の答え」を探るための
インタビューのコツとは

 前回「プロアクティブな問い」のところでリサーチにつながる話が出てきたので、ここで少し「インタビューのコツ」について、触れておきましょう。

 市場調査でも、ちょっと相手に意見を聞きたいときでも、相手が無意識のレベルで答えられるような「真の答え」を探るためには、コツがあります。コツといっても習得が難しいものではありません。基本パターンのようなものだと考えてください。

 まず、問いで明らかにしたいことのシーンを最初に明確にするということです。