日本維新の会の松井一郎代表と吉村洋文副代表衆議院選挙の開票結果を受けて記者会見に臨む日本維新の会の松井一郎代表(左)と吉村洋文副代表 Photo:JIJI

総選挙で惨敗した野党第1党の立憲民主党。創設者の枝野幸男代表は退陣を余儀なくされ、第3党に躍進した日本維新の会に政党支持率が抜かれるなど政権交代の野望は遠のくばかりだ。自公政権にもっと緊張感を生じさせる方法はないのか。参院選でそれを実現するには、「バトルロイヤル方式」での野党の候補者一本化しかない。独自の参院選シミュレーションを基に、筆者はそう結論付けた。(イトモス研究所所長 小倉健一)

衆院選後の世論調査で衝撃的な結果
立憲民主は沈み、維新が躍進

 10月31日の衆議院選挙の投開票を受けて、共同通信が11月1、2両日に実施した緊急世論調査の結果は衝撃的だった。公示前勢力の4倍近い41議席を獲得した日本維新の会の支持率が5.0%(10月上旬)から14.4%へと大幅に躍進。立憲民主党の11.2%を上回って野党トップとなったからだ。

 朝日新聞の調査(同6、7日)でも、維新の政党支持率は総選挙前(10月調査)の3倍に当たる9%で、立憲に並んだ。

 立憲は先の総選挙で共産党など野党5党での共闘を進め、217の選挙区で候補者を一本化した。しかし、天皇制や安全保障政策などで見解を異にする共産との連携強化は反発も招き、公示前勢力から減らす96議席の獲得にとどまった。

 共同通信の調査によれば、野党5党の共闘関係を「見直した方がいい」との回答は61.5%。来夏の参議院選挙でも候補者の一本化を進めるべきか否かについては、朝日新聞の調査で「そうは思わない」が51%に上った。

 立憲からは2017年の結党時に見えた高揚感は失われ、来夏の参院選でも苦戦が予想されている。もはや野党が夢に描く政権交代を果たすことは不可能なのだろうか。

 そこで筆者は時事通信の参院選シミュレーションを基に、独自試算を実施した。その結果、巨大与党に対抗し得る唯一の手段に思い至った。

 維新を含めた野党が参院選の候補者を絞り込むための予備選をバトルロイヤル方式(勝ち残り戦)で行い、その勝者を「非自民勢力」の候補者として一本化するのだ。

 次ページ以降で、独自シミュレーションの結果やバトルロイヤル方式の候補者一本化の実効性について詳しく解説したい。