「もともと、国内で初めて電気自動車(EV)の量産に取り組んだイメージがあり、SDGsの取り組みへの評価は高いといえる。しかし、2018年11月にカルロス・ゴーン前会長が東京地検特捜部に逮捕された「ゴーンショック」が尾を引き、社会的なイメージに影響を与えていたと考えられる。今回の調査からは、ようやくその負のイメージが払拭されたかたちだ」とブランド総合研究所の田中章雄社長は分析する。

 SDGsに関する情報取得先として、トヨタ自動車、日産自動車、共にテレビCMからが最も多い(※3)。日産自動車は2020年8月から、タレントの木村拓哉氏をCMキャラクターに据え、ロゴを20年ぶりに変更してブランド戦略を大々的に刷新している。こうした効果も大きそうだ。

※3 「各社のSDGsに関する情報は主にどこで入手しましたか」の設問に対し、「テレビ番組やニュース」など12の媒体(入手経路)の中から選んでもらった(複数回答可)。本記事の表には記していない。

 業種別4位(14.6点)の本田技研工業は、SDGsの取り組み評価で「知らない、わからない」が22.4点。他の自動車メーカーと比較しても、取り組みが知られていないことがわかる。

 9位(13.5点)の三菱重工は、「ゴール9:産業と技術革新の基盤を作ろう」でトヨタ自動車に次ぐ15.0点。総合重機の最大手で三菱グループ中核企業ならではの評価である。

 また、ESG(環境・社会・企業統治)イメージ(※4)では、トヨタ自動車をはじめ自動車各社は「環境に配慮している」「商品やサービスが信頼できる」における点数は高いが、日産自動車は「国際化が進んでいる」が比較的高く、「女性が活躍している」ではトヨタ自動車をはじめ、各社をしのぐ。トヨタ自動車は「若い世代を活かしている」が高い結果となった。