FRB22年後半利上げ開始で進む円安Photo:PIXTA

FRBは、テーパリングを完了する2022年半ば以降、利上げステップに入る公算だ。ドル円相場は米金利上昇に伴って115~120円ゾーンに移行するとみる。さらに、世界的にリスクオンが続くと、ドル指数が下落するが、そのドルに対して円が独歩安で進む展開もあり得る。コロナ禍克服過程の攪乱(かくらん)を踏まえて、このドル円見通しのリスクも考える。(田中泰輔リサーチ代表・楽天証券グローバルマクロ・アドバイザー 田中泰輔)

FRB22年後半に2回
23年に4回利上げか

 FRB(米連邦準備理事会)はテーパリング開始を決めた。毎月1200億ドルの債券購入を150億ドルずつ減らし、2022年半ばに量的緩和は打ち止めとなる。その後、同年後半に2回、23年に4回の利上げを見込む。

 為替市場では、米金利上昇に伴うドル買い・円売りが進み、遠からず115~120円ゾーンへ水準を切り上げよう。そこに、世界経済改善のグローバルリスクオンが重なると、主要通貨間でドルは下がるのに、円はそのドルより安くなる展開もあり得る。その背景と、この見方に対するリスクを整理する。