身近に人がいるのは「当たり前」ではない

もう一つの口癖は、「ありがとう」です。

自分を助けてくれる周りの人、特によく顔を合わせている人ほど、感謝の言葉はこまめに伝えたほうがいいと思っています。

一日に、何度も「ありがとう」。

目の前にいる人の存在を“当たり前”と思わなければ、感謝の言葉は自然と出てきます。

特に年齢を重ね、社会的な地位を得た人ほど、身近な人に「ありがとう」と言えなくなる人が多くなるのは残念です。

特別な記念日に豪華な花束を用意するよりも、毎日こまめに感謝を口にするほうが、ずっと大切ではないかなと僕は思います。

「そうなんだ」と「ありがとう」。

この二つの言葉をたくさん使えば、孤立することなく孤独でいられる、理想的な「個」と「個」の関係が築けるのではないでしょうか。

(本原稿は、中野善壽著 『孤独からはじめよう』から一部抜粋・改変したものです)