正解は、「売るなら、I社」。
ローソクは、本数よりも長さに注目
陽線や陰線は、「本数より長さのほうが重要」です。
I社では、短い陽線5本の上げを、大陰線1本で帳消しにしています。
この価格帯では、買いより売りのほうが強いと感じさせます。
それを3回も繰り返しているので、買い手は「この価格帯では怖くて買えない」と気づきます。
買いが引っ込んだところで、売り手がさらに売ってくると株価の下げが加速しそうです。
「小幅の連打」よりも「大きな一発」
これをボクシングの試合にたとえます。
買い手は小さなパンチを5本もヒットさせて少しずつ売り手を追い詰めていましたが、突然、1発の強烈なアッパーを浴びてダウン。
なんとか立ち上がって、再び小さなパンチを5本当てたが、またアッパーをくらってダウン。
そんな展開が続いたら、どちらが勝ちそうだと思いますか。I社のローソク足には、そんなボクシングの展開を思わせる動きが表れています。
J社はその逆です。陰線5本の下げを、1本の大陽線で帳消しにしています。
こうなると売り手は売りを控えるようになるので、ここは買ってみて面白いところです。
50円の値幅で「行ったり来たり」しているだけのI社とJ社ですが、ローソク足を見ると、ここで展開されている投資家の熱い闘いがありありと見えてきます。
(本稿は、『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』から抜粋・編集したものです。)