◇貯金の基本に忠実に

 貯金とは、「お金を使わないこと」だ。それは「明日のお金」を使う能力が手に入ることでもある。

 貯金の目的は将来の支出に備えるとともに、人生の大きな目標を達成することだ。社会人になりたての若い人であれば、車、家、結婚と子育て、起業といったあたりが目標になるだろう。

 また、まさかのときに備えるというのも目的の1つとなる。事故や病気、盗難など、いつ不運に見舞われるかわからない。そんなとき手元にまとまったお金があれば、ダメージを最小化できる。

 さらに、人生における自立を果たすという目的もある。貯金は一種の習慣であり、人生をきちんと考え、計画を実行する粘り強さと自制心を培う。

 貯金のコツは、お金が入ったら、貯金する分だけすぐに切り離し、どこか別の場所に置いて使えないようにすることだ。天引きや自動積立といったシステムを活用し、財布に入ってこないようにするのが望ましい。

◆借りる
◇支出のルールを決める

 月々のお金の使い方、つまり支出には大まかなルールがある。例えば、家賃は月収の3割まで、あるいは毎月出ていくお金(家賃+ローン返済)は月収の半分までだ。以下にいくつかのコツを紹介する。

『家賃にお金をかけすぎない』特に収入が少ないうちは、多少の住みにくさや狭さは我慢してでも、家賃を抑えたほうがいい。

『小さな出費に気をつける』自分でも気づいていない出費で、積み上げるとけっこうな金額になっていることはよくある。スターバックスに毎日通う、夕飯にコンビニの弁当を買って帰るといった行為は最たるものだ。コーヒーが飲みたいなら、職場の無料のコーヒーを飲もう。夕飯はなるべく自炊しよう。それだけで出費はぐっと抑えられる。

『もしもに備える』毎月決まって出ていくお金だけではなく、「緊急事態」に備えるお金も必要だ。これには、家族や自分がケガや病気、失業で働けなくなるといった不測の事態にかかるお金である。せめて半年分の支出の相当額を、緊急事態費として貯めておくのがいいだろう。