◇ローンと担保

 ローンとは、お金を持っている人が、お金を欲しい人に対し、一定の条件下でお金を貸すことだ。多くの人に関わるのは住宅ローンや自動車ローンではないだろうか。

 貸したお金が返ってこないリスクを小さくする方法が「担保」を取ることだ。ローンを組んで車を買う場合、車自体が担保になる。もし何かあって返せなくなったら、貸し手は車を受けとって売却し、ローンを穴埋めできる。

 住宅ローンの場合、住宅が担保に入っており、返済ができなくなれば住宅は差し押さえられる。そういったリスクはあるが、ほとんどの人がローンを組まなければ家を買うことができない。

◇金利と複利の仕組み

 ローンの利用料に当たるのが「金利」だ。金利はたいてい、「年○○%」という形で表される。借りたお金の全額は「元本」と呼ばれ、元本に利率をかけた額が利息だ。利息には単利と複利がある。

「単利」では、利率が年に12%で、元本が1000ドル、返済期間が1年の場合、1年間の利息は120ドルになる。1年後に返す金額は、1000ドル+120ドル=1120ドルだ。しかし実際金融機関からお金を借りるとなると複利が適用される。

「複利」では、利息が上乗せされた金額に、さらに利息がつく。先の1000ドルを1カ月複利で計算してみよう。年12%の利率を12カ月で割ると1%だ。1カ月目の利息は、元本1000ドルの1%なので10ドル。それが2カ月の利息となると、前月の利息を加えた1010ドルの1%となるので、10ドル10セントになる。こうして最後の12カ月になると、返済額は1126ドル84セントになる。単利と比べて高い。

 そのため、複利の場合、本当の金利は12%でなく、12.68%だ。この本当の金利を「実行金利」と呼ぶ。

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◇投資の複利効果と72の法則

 貯金がある程度の額になったら、今度はお金を育てることを考えよう。つまり「投資」だ。投資においてもここまで見てきた複利効果が働く。

 元本が1000ドルとして、投資をして2倍にまで増えるのにどのくらいかかるだろうか。それを簡単に計算できるのが「72の法則」である。72という数字を利率で割るのだ。