この間、学習塾の仕事に応募し続けたものの、「大学院まで出てうち(学習塾)みたいなところに(就職するなんて)もったいない」という理由で断られたという。以前紹介した「高学歴ワーキングプア」を取り上げた記事のなかで「こんな高学歴なのに…ふざけているのか?」という理由でバイトを断られたケースと似ている。

 Cさんが現在勤務している私立校は、自分の母校。それまで教員になるなど夢にも思わず、教職免許も持っていなかった(現在は教員免許を取得している)。

 そんなCさんを半ば強引に雇用したのは、高校時代の恩師だった。しかも、転職成功の陰に恩師の動きがあったことを知ったのは、就職してからだという。

<10年以上も音信不通だったのに、とくに目立った成績もあげられなかった私のことを覚えていてくれていて、しかも陰から就職に強引に繋げてくれたことを本当に感謝しています。自分も成績中位の生徒も大事にする教員であろうと行動することが恩師のご恩に報いることだと肝に銘じております>

 Cさんが、その時に痛感したのは、「ハローワークは税金の無駄遣い施設であり、資格よりも人脈(そして運)がモノをいう社会だということ」だった。

 たとえ思ってもいなかったような方向へ進むことになったとしても、それは日々の人生の巡り合わせによって開けた道のりだったのだろう。

 いまは、答えのない問題が山積みされ、金の力だけでは解決できないことがたくさんある時代だ。皆が同じ夢を見られた高度経済成長期のような価値観は通用しない。

 筆者の印象では、いま「引きこもり」状態にある人たちの3分の2くらいは、就職の失敗や、再就職できなくなるなどの理由から、“空白期間”を続ける人たちだ。

 専門家やセオリーだけを当てにしていると、自分の生活が行き詰まる。自分たちの未来の仕組みは、自分たちで問いかけ、作り直していかなければいけない。

<お知らせ>
☆第2回関東ひきこもり問題フューチャーセンター開催☆

●日時
2012年12月9日(日) 13:00~16:00
●場所
落合第一地域センター 4階和室
新宿区下落合4丁目6番7号
TEL 03-3954-1611
西武新宿線下落合駅から徒歩約5分詳細、申し込み等は、下記へ

http://goo.gl/LbCYO

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<お知らせ>
筆者の新刊
『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)池上正樹/加藤順子・共著が刊行されました。3.11、 学校管理下で、なぜ74人もの児童たちが、大津波の犠牲になったのか。なぜ、「山へ逃げよう」という児童たちの懸命な訴えが聞き入れられず、校庭に待機し 続けたのか。同書は、十数回に及ぶ情報開示請求や、綿密な遺族や生存者らの取材を基に、これまでひた隠しにされてきた「空白の51分」の悲劇を浮き彫りに していく。