ただ、全力を挙げて人口を増やそうとする国の熱意とは裏腹に、人々の反応は冷ややかである。ネット上には以下のようなネガティブな書き込みが散見された。

「かつての一人っ子政策はあれほど厳しかったのに、今では親の介護は私事で、子作りは国事となったか」
「職場で毎日解雇されるかどうかビクビクしている中で、子どもを産む気にはならない」
「政府がどんなに子作りを呼び掛けても、私には関係ないのだ、結婚する気がないから」

 高齢化と労働人口の減少は、中国の経済や社会の安定を大きく揺るがしかねない、中国政府にとって最も重要な問題だ。約70年間一度も変わってない中国の定年退職の法定年齢も、高齢者人口の増加に伴い、いよいよ改正の準備が始まっているという。

 少子高齢化に伴うさまざまな問題を解決するために、国はどのような「国家戦略」を今後打ち出すのか。そして国民の支持を得られるのか、国運を左右するといっても過言ではないだろう。