【ドバイ】高層ビルが立ち並び、ペルシャ湾に面したビーチが続くドバイは、世界の新型コロナウイルス感染流行をよそに活況に沸いている。国境を開放する政策と高いワクチン接種率、そしてコロナ感染率の低さから、超富裕層や起業家、観光客を引きつけているのだ。
ドバイを含むアラブ首長国連邦(UAE)には今年、所得税がかからない上にコロナ規制が比較的緩いことにひかれ、何千人もの大富豪が移住してきた。市内のバーやレストラン、ホテルは満員で、不動産価格は高騰。オフィスには労働者が戻り、2020年万国博覧会には外国人観光客が押し寄せている。
世界各地で新型コロナの変異ウイルス「オミクロン株」が市場を混乱させ、国境規制が強いられる中、ドバイはますます流動的になる国際的な労働力を受け入れ、開放的な経済を堅持している。UAEは7日、日曜から木曜までを平日とする中東の標準から変更し、月曜から金曜を平日とすると発表。より多くの外国企業や外国人を呼び込む新たな変更に踏み切った。
ドバイの新住民の中には、そこが安住の地であり、世界的に注目されている他の都市とは対照的とみる向きもある。シンガポールにはほとんどの旅行者に対する隔離規制がある。香港では政治的混乱があり、欧州の首都には繰り返しコロナの波が押し寄せ、ニューヨークは犯罪に悩まされている。
英国の不動産企業家、スコット・ドラモンド氏(57)は、1月にドバイで2週間の休暇を過ごした際、ポルトガルとイギリスで展開しているビジネスの一部をドバイに移すことを決めた。
「欧州全体でビジネスが閉鎖されていたが、ドバイは完全に開いていた」とドラモンド氏は語る。
同氏は程なく会社を設立して滞在許可証を取得し、ノマドワーカー(どこでも仕事ができる人々)のための割引制度がある五つ星ホテルにチェックインした。英国では待たなければならなかっただろうワクチン接種もドバイで受けた。髪の毛が伸びる間は友人や家族に会うのを避けることを考え、ドバイで数千ドルかけて植毛手術もした。