傾聴するのはもちろんのこと、それ以上に、一歩身を引き、腰を折って「いろいろ教えてほしい」と言える人ほど、ビジネスでは成功するのです。

大きなリアクションで
虚心坦懐に傾聴する

 前回も述べましたが、相手が教えてくれたときも「驚き」をベースにした大きなリアクションが望ましいです。特にリモートは、リアクションが伝わりにくいのが悩ましいところ。少し大袈裟なくらいに首を縦に振り、うなずき、驚きの声を上げるようにしましょう。

 相手が教えてくれたことに対して、「へぇ、知りませんでした」「初めて聞きました」「そういうことだったんですね」「学びました」「すぐに使えそうです」「勉強になります」と口にする。最初はわざとらしく感じるかもしれません。しかし、有能なビジネスパーソンほど、このリアクションを厭味なく自然にやってのけます。

 おべんちゃらやヨイショに聞こえるのは、心の底から驚いていないから。プロは、虚心坦懐に聞く力に長けています。

 いけないのは、わかってもいないのに、わかっているような返事を返すこと。「そんなことはわかってるよ」という退屈そうな顔も、すぐに相手に気づかれます。

 どちらも、共感を高める傾聴には不向きな態度です。

「いろいろ教えてください」を言い換えれば「あなたの持っている情報をください」ということ。低姿勢には、貴重な情報をかき集める魔力があるのです。