緊張が続く米中関係。2022年も関係改善する可能性は低そうだ。その理由は、米国と中国の双方にある。特集『総予測2022』の本稿では、日本総合研究所上席理事の呉軍華氏が新年の米中関係を解説した。(聞き手・構成/ダイヤモンド編集部 杉本りうこ)
新年の米中関係は波乱含み
米国の姿勢は一層強硬に
2022年の米中関係は、11月8日に実施される米国中間選挙に向け、波乱含みになりそうだ。
米民主党・バイデン政権は中間選挙に向けた流れの中で劣勢が鮮明になれば、選挙戦での巻き返しの手段として、中国に対してより強硬な姿勢を示す可能性がある。
バイデン政権に対する支持率は厳しい状況だ。21年夏に不支持が支持を上回り、その後は就任以降最低の水準で推移している。
要因は大型の歳出法案の成立が難航しているといった内政面にあるのだが、この劣勢を打開するために、中国への外交姿勢をいっそう強硬にするだろう。なぜなら今の米国社会でコンセンサスを得られるのは、中国問題しかないからだ。