しかし休息を取るとき、いつもスマホを手にしている人は多いのではないだろうか。休息中にスマホで動画やニュースをチェックしていると、体は休んでいるつもりでも、心や脳がアクティブな状態のままになる。スマホから流れ込んでくる膨大な情報は脳疲労を引き起こすと考えられており、疲労回復を妨げかねない。筋トレで疲労した体を十分に回復させるためには、シングルタスクの休息が適しているだろう。

「ながらスマホ」を止める
ストレスとの付き合い方

 マルチタスクに関するデメリットを紹介してきたが、マルチタスクは必ずしも悪影響をもたらすわけではない。忙しい現代人にとって、シングルタスクは贅沢な時間の使い方とも言えるからだ。

 つまり、シングルタスクとマルチタスクを目的に応じて使い分ける必要がある。その中で、デメリットの大きいマルチタスクはシングルタスクに切り替えるのがよい。

 現代人が陥りがちなマルチタスクといえば、スマホを使った「ながらスマホ」だ。「仕事しながらスマホいじり」「ランニングしながらスマホで音楽」など、バリエーションは多岐に渡る。

 というのも、スマホはちょっとしたストレス解消に非常に便利だからだ。仕事やトレーニングをしていると、疲労や飽きを感じることは少なくない。そんなときスマホを手にすれば、そこには刺激的な情報が溢れており、手軽に気分転換ができる。「ストレスはスマホで解消するもの」という習慣が身に付いてしまうと、「ながらスマホ」というマルチタスクから抜け出しにくくなるものだ。

 一方で、スマホに頼らずにストレスに対処することができれば、マルチタスクからシングルタスクに行動を切り替えやすくなる。そのヒントとなるのが、ホルモンの一種であるデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)だ。