――1996年に個人事業で解体工事業を始められました。当時はまだ20歳だったそうですね。
佐野 定時制高校に通いながら解体の仕事をしていたのですが、早く独立したいと思い、裸一貫、バール1本から始めました。地道に、小規模の仕事も請け負ってコツコツお金をため、開業3年目にようやく中古の2tダンプを買うことができました。その後も徐々に事業を拡大して現在に至ります。
――今では大きく成長されましたね。
佐野 従業員を43人まで増やし、静岡・山梨・神奈川エリアで解体工事業と産業廃棄物処理業を行っています。
油圧ショベルやハイリフトなどの大型重機とダンプを各30台以上保有。ビルや工場を解体する数億円規模の案件から、個人宅のブロック塀解体のような数万円規模の案件まで、幅広く手がけています。
自社で産業廃棄物の中間処理場を持っていることも特徴です。15年間、一度も行政指導がなかったので、先日、県の優良産廃処理業者に認定されました。
おかげさまで、売り上げは創業以来、ほぼ右肩上がり。重機やダンプ、中間処理場などはすべて自己資金で手に入れ、無借金経営を維持しています。
――それだけ設備投資をしながら無借金経営とは驚きました。好業績の理由は?
佐野 まずは現場の内容をしっかり把握して、安全に作業ができることを確認し、無理のない仕事をすることです。弊社の一番の強みは「人財」。優秀なスタッフがそろっていると自負しています。また、従業員に対しては、技術だけでなく、現場におけるマナーや服装などの教育もしっかり行っています。
――どのような従業員教育でしょうか?
佐野 ベースになっているのは、毎日朝6時45分から行っている朝礼です。私を含めた全従業員と協力業者が集まり、前日のよかったことや反省点を話しています。6年前から始めたのですが、お客さまからの要望をタイムリーに伝えられるので、迅速に業務を改善できますし、感謝の声もすぐに届けられます。加えて、月1回、1時間半ほど全体ミーティングの場を設け、難易度の高い案件を皆で共有し、技術向上の勉強会を行っています。