堂々のスタイリング
3列シート/定員7名を実現

 2012年末に「SUVで世界初」というフレーズと共にシリーズに加えられたアウトランダーPHEVは、日本をはじめ世界各地で好評を博し、累計販売台数29万台を達成した。CO2削減が従来以上に求められる中、日本でPHEVのみにラインアップを絞ったのは納得がいく。新型は、“環境に優しい上級クロスオーバーSUV”というキャラクターを一段と鮮明にした。

 新型は3列シート/定員7名仕様を設定している。システムのコンパクト化が進み、スペース面に余裕が生まれた成果だ。実際に着座してみると、3列目シートの空間はタイト。大人2名の乗車は、「何ともきつかった」というのが現実だ。それでも、床下収納式の3列目のシートを、年に数回の「どうしても7人で乗りたい」といったシーンで活用できるのは、見逃せないメリット。メーカーによると、これまで「3列目シートの用意がないために購入を諦めた」というユーザーが少なからず存在したという。3列目シートは新型の大きなトピックである。

 スタイリングは全面刷新。新型の開発コンセプト「威風堂々」を端的に表現している。存在感たっぷりだ。

 ボディサイズは全長×全幅×全高4710×1860×1745mm。ホイールベースは2705mmの設定。ハリアー(同4740×1855×1680mm、2690mm)と比較すると全長と全幅、そしてホイールベースは同等。全高は65mm高い。日本の道路環境でも持て余さない設定に収まっているが、実に堂々と見える。

 その秘密は、最新の三菱車に共通する“ダイナミックシールド”と呼ぶマスクや、20インチの大径タイヤを前提とした筋肉質なフェンダーフレア、航空機の垂直尾翼をモチーフとしたクオーターピラーの採用などにありそうだ。そのたたずまいは歴代モデルより明確にたくましく、威厳に富んでいる。「ルーフ部のリアスポイラー、リアコーナーのボディ造形、床下整流などによって空気抵抗を低減」したという配慮は、最新のモデルらしいポイントである。

 インテリアは、エクステリア以上に進歩幅が大きく感じられた。デザイン/質感ともに向上している。「従来型で不満の声が少なくなかったので力を入れた」という。

 ダッシュボードは水平基調でシンプルな仕上がり。メーターは12.7インチのフル液晶仕様。一方、シフトセレクターやドライブモードセレクター、空調コントロールスイッチなどはオーソドックスな造形でまとめた。操作性は上々。スイッチ数を減らしたディスプレイ内のアイコンタッチ方式よりわかりやすく、使いやすい。各部の作りも入念である。シート素材はグレードによって異なるものの、仕上がりはなかなか上質だった。