走りはピュアEVイメージ
ハンドリング良好

 新型アウトランダーに、短時間ながらサーキットで試乗した。「0→100km/h加速タイムが8.2秒」という動力性能は、必要にして十二分。エンジンとモーターの出力をフルに引き出す全力加速にまでは至らないEV状態でも、日常的に必要な“素早い加速”程度はエンジンの始動なしでこなす。 新型は、前後モーターの出力が共に引き上げられたことに加え、駆動用バッテリー総電力量を13.8kWhから20kWhへと大容量化。システム電圧は300Vから350Vへと引き上げた。スムーズで力強いEV走行は、駆動用バッテリーからモーターに対して瞬時に十分な出力を引き出せるようになった証といえる。

 完全舗装が施されたサーキットゆえに、乗り心地の評価などが非常に困難な中でも実感ができたのは、「三菱の4WDモデルらしくよく曲がる」という事実だった。その原動力は、独自の車両運動統合制御システム“S―AWC”の進化。具体的には従来は前輪だけだったブレーキ制御(AYC=アクティブヨーコントロール)が後輪にも展開されるようになった点と、その効果を生かす後輪用モーター出力の設定にありそうだ。ちなみにドライブモードは7種を用意。路面状況と運転スタイルに応じてきめ細かく選べる。

 その他、日産とのアライアンスで実現されたADAS機能やスマートフォンとの連携を可能としたナビゲーションシステムを筆頭としたコネクティビティの充実など、見どころは満載。新型は、エコフレンドリーなだけでなく見ても乗っても満足度の高い意欲作だ。

(CAR and DRIVER編集部 報告/河村康彦 写真/小久保昭彦)

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