Cさんの現在の月間支出は、20万2500円です(水道光熱費は平均1万3500円とする)。年間に直すと20万2500円×12カ月=243万円です。この金額に、年間支出〈保険・その他〉35万円を加えると278万円になります(車検の5万円は「3年に一度」と記載がありますが、ここでは厳しめの試算をするために、毎年あるものとして進めます)。

 ただ、大学院進学中は上記の他に、健康保険と国民年金の費用をCさん自身が負担しなければいけません。その費用を年間35万円とすれば、278万円は313万円になり、さらに大学院への進学資金、2年間で150万円(1年あたり75万円)が加わることになります。

 大学院への進学資金150万円は「学費のみ」と書かれています。学費以外の費用も必要になると考えられるので、その費用を年間50万円、2年間で100万円としましょう。これらを含めた年間支出は、生活費の313万円、大学院の学費75万円、学費以外の費用50万円の合計438万円になります。

 一方、大学院在学中はアルバイトで月5万~8万円を稼ぐ予定とのこと。また、貸与型の奨学金10万円を1年間借りる予定だそうです。2年目は給付型奨学金を受けられる可能性があり、それが月10万円なので貸与型奨学金を借りずに生活できればと考えていて、不足分は貯金を利用される予定とのこと。

 せっかく大学院に進学するのですから、アルバイトは勉強に支障をきたさない範囲に抑えてもらいたいと思い、やや少なめの月6万円の収入で試算を続けます。

 アルバイト収入が月6万円の場合、年間にすると72万円です。この金額に貸与型奨学金月10万円、年間120万円が加わります(2年目は給付型奨学金を得るとします)。すると、年間では192万円の収入になります。

 年間の支出が438万円、収入が192万円ですから、246万円の赤字になります。2年間だと492万円になり、この金額が貯金から取り崩されることになります。現在Cさんは1000万円の貯金があるので、大学院への進学期間中で508万円まで貯金は減少し、また貸与型奨学金を使用するので、120万円の負債を抱えることになります。