マンションを購入したら、必ず回ってくるのが管理組合の役員、いわゆる「理事」の順番だ。マンション管理において、理事会と理事の果たすべき役割は非常に大きなものなのだが、「できれば理事にはなりたくない」と思っている人も多いだろう。今回は、そんな敬遠されがちな理事について話をしていこう。(株式会社シーアイピー代表取締役・一級建築士 須藤桂一)
理事の順番が回ってきた!
理事就任を拒否することは可能?
たいていのマンションでは、管理組合の理事(役員)の選出は、あらかじめ住戸ごとに就任の順番を決めておき、持ち回りで順番が回ってくる、いわゆる「輪番制」を採用している。
輪番制でいざ自分の番が回ってきた際に、「うれしい」と感じる人はそうはいないだろう。何とか就任しないで済むように、「仕事が忙しいので」「年齢的にちょっと厳しいので」「持病があるので」「親の介護が大変なので」などとさまざまな理由を持ち出し、辞退する方向に持っていこうとする人も少なくないはずだ。
マンションによっては、辞退金や支援金、あるいは協力金という名目で、一定の支払いをすれば理事就任を回避できる規定を設けていたり、反対に、理事に就任した人には報酬を支払ったり、何らかのインセンティブが働くようなルールを設定し、理事のなり手を確保する工夫をしているところもある。
このように、「できればなりたくない」と敬遠されがちな理事だが、そもそも区分所有者(組合員)であるなら、必ず理事にならなければいけないのだろうか?