なるほど、リアウィングは巨大で、とてもロードカー用とは思えない。しかも、このリアウィング、よくよく見るとボディから伸びたステーがウィングの上面に固定されていることに気づくはず。これはスワンネック(白鳥の首)と呼ばれるもので、最新のレーシングカーでは一般的なテクノロジーとして知られる。なぜウィングの下面ではなくて上面を支えているかといえば、ウィングがダウンフォースを発生するうえで重要な役割を果たしているのは上面よりも下面だから。そこで、ウィング下面の形状をできるだけスムーズに仕上げ、最大の空力効率を得るために、このような手の込んだ形状にしているのだ。
フロントセクションのボンネット、フェンダー、バンパーがひとつのパーツで構成されていて、これら全体をがばっと大きく開けられるデザインもレーシングカーの世界ではお馴染みのもの。これは部品点数を減らすことで軽量化に役立つほか、ボディパネルのつなぎめを減らせるので空力効率が高まり、信頼性を向上させることにも結びつく。また、ボディパネルが大きく開くことから、メンテナンスの作業効率が高まることも期待できる。いずれもレースの世界では重要とされることばかりだ。
ウラカンの魂というべき自然吸気5.2リッターV10エンジンは標準仕様の610psから640psへとパワーアップ。最大トルクも5Nm増えて565Nmとされた。このハイパワーを受け止めるべく、スプリング、ダンパー、アンチロールバー、ブッシュはよりハードなスペックのものに置き換えられたほか、タイヤは専用開発のブリヂストン・ポテンザ・スポーツを装着。さらにサーキット走行用に同じブリヂストンのポテンザ・レースというタイヤまで用意されるという。なお、ウラカンSTOはレーシングカーに準じて後輪駆動とされている点も注目される。