さて、次は、「うなずき方」です。

 相手の話に「わかります」と合図を送るときは、あごを少し上げたスタートポジションから軽く下に首を下げる。深く同意したとき、共感したときは、スタートポジションより上の角度から首を下げる。この2つを中心にうなずく練習をしてください。

 営業で実績のある友人は、「うなずき方」の天才でした。部下が仕事への不平不満をぶつけてきたとき、天井を一度見上げるようにして、大きく首を動かしていました。「君の言うことに激しく同意する」と無言で言っていたのです。部下の要求は、到底飲めないものでしたが、この「うなずき力」によって、部下は大層満足して帰っていきました。こうして人のうなずき方を研究するのも役に立ちます。女性の場合、少し首を傾げてうなずくと、エレガントな印象になります。

相槌をプラスして
さらに共感を呼ぶ

 ただ黙ってうなずくだけでなく、時折「相槌」も入れるようにしましょう。

「相槌」とは、聞き手側が発する「合いの手」のようなものです。ただし、回数を増やしすぎないように。「はい」「はい、はい」と2度までなら許せますが「はい、はい、はい」と3回になると小馬鹿にしているような印象を与えます。

 また、「はい」や「そうですか」の他にも第1回で述べたように「すごいですね」「素晴らしいですね」など、相手を前向きにする言葉も有効です。

 うなずきも相槌も、味方であると示すことです。エールを送る代わりに首を縦に振り、合いの手を入れるのです。心を込めて真剣にリアクションしてくださいね。