藤原和博氏が就活生に伝授!本当に良い会社を見極めるための5つの指標藤原和博(ふじはら・かずひろ)/教育改革実践家。1955年東京生まれ。東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。96年に同社初のフェロー(年俸契約の客員社員)となる。2003年より5年間、杉並区立和田中学校で東京都初の中学校の民間人校長を務めた後、大阪府特別顧問、武雄市特別顧問、奈良市立一条高校校長として活躍。

*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2022」の「親世代とは大違い!息子・娘の就活大転換時代」を転載したものです。

21世紀の日本社会は、親世代の常識とは異なる「正解のない時代」。この時代を生きる若者たちが「100万人に1人の存在」として活躍するための戦略を、前回に続いて教育改革実践家の藤原和博氏が解説する。本当に良い会社を見極めるための5つの指標とは?(取材・文/嶺 竜一、撮影/ダイヤモンド編集部、イラスト/ソノダナオミ)

唯一の正解がない成熟社会
鍛えるべきはレゴ型思考力

藤原和博氏が就活生に伝授!本当に良い会社を見極めるための5つの指標

 さて、就職活動を控えた大学生、高校生、およびそのご両親にもう1つ伝えたいことがあります。それは「ジグソーパズル型思考力」ではなく「レゴ型思考力」を身につけてほしいということ。

 ジグソーパズルはたった1つの正解に向けて全てのピースをはめていくゲームです。おわかりでしょうが、今の社会はそんな世界ではありません。

 にもかかわらず、今の若者の多くはそういう教育をされてきました。唯一の正解に向けて、そこにどれだけ早くたどり着けるかという力が重視されてきたのです。

 その典型がマークシート型の試験です。マークシートの4択問題は、必ず1つの正解が存在し、残りの3つは不正解です。しかも、そうした選択肢を、教師や教材会社が作ってくれます。

 しかし社会ではまず、顧客や上司から4つの仮説が提示されることがないし、されたとしても正解がその中にある確証はありません。もし、イ、ロ、ハ、ニという選択肢があっても、言語すら違うαやβに答えがあるなんてことは当たり前にあります。