AIの発達で
人がやる仕事は2つに分かれる
1つはロボットやAIを導入して自動化するよりも人にやってもらったほうがコストが安い仕事。もう1つは、自動化・無人化をサポートするサービスを提供する仕事です。その間の仕事はごっそりなくなっていく可能性が高い。後者の仕事をしたいなら、データドリブンの会社であるかを見極めていただきたい。
3つ目は、「バッターボックスにどれだけ立たせてくれる」か。1つの軸で100分の1になるために重要なのは、圧倒的に場数をこなすことです。量こそが質を保証すると私は常々思っています。長い年月先輩の後についていけば仕事を覚えられるという時代は終わりました。
私はリクルートのアルバイト時代、受注が途絶えていた顧客を50社ほど持たされ、スーツを着て名刺を持って1人で営業し、5件の成果が出て、リクルートに引っ張られました。そんな具合であの会社はとにかく場数に恵まれているから、5~10年でみんな100分の1になれるのです。
4つ目は、「採用に手間とお金をかけている」会社かどうか。これは私が数多くの会社を見てきて痛感したことですが、現場社員が「自分の仲間は自分たちで採用する」という哲学を持っている会社は伸び、「採用は人事部がやるもの」と考えてリクルーターもろくに出てこないような会社は伸びない。オンライン面接で即採用などという会社はお勧めできません。
また、「従業員持株会がある」かどうかも重要です。「社員を大切にする」と話す経営者は多くいますが、従業員持株会のない会社を私は信じません。
フランスの経済学者トマ・ピケティは、ベストセラー『21世紀の資本』の中で、「r>g」という不等式を紹介しました。rは資本収益率、gは経済成長率のことで、資本への投資によって得られる富は、労働によって得られる富よりも成長が早いことを意味します。つまり、従業員は給料よりも資本を貰ったほうが圧倒的に裕福になれるのです。ちなみにリクルートには従業員持株会があり、私よりも後に入った社員でも上場によって株の価値が何十倍になりました。
5つ目は、「副業を認めている」かどうか。副業をすれば社員は会社の外でもスキルを磨くことができるからです。本業で得たスキルを休日に副業で生かせば1歩目のスキルは早く磨かれるし、本業で1歩目を磨きながら副業で2歩目を始めることもできます。会社から見れば、社員が会社の外で得た経験やスキルは必ず付加価値になるのに、いまだに副業を認めない会社はナンセンスです。