コンビニ金融#8Photo by Masaki Nakamura

8兆円企業の稼ぎ頭になっているイオンの金融部門。特集『コンビニ金融最前線』(全8回)の最終回では、事業全体を統括するイオンフィナンシャルサービスと中核会社イオン銀行の両トップに、今後の戦略について聞いた。(ダイヤモンド編集部 中村正毅)

コロナ禍で加速したデジタル化
キャッシュレス決済急進の大波

――コロナ禍によって小売業を取り巻く事業環境は大きく変わりました。小売り発の金融事業者からすると、この1年はどのように見えていたのでしょうか。

藤田健二・イオンフィナンシャルサービス社長 コロナ禍によって、小売りにひも付く金融事業も環境が相当に変わりましたね。向こう2~3年で起きるデジタル化が、この1年にぎゅっと凝縮されて進行したような印象です。決済のキャッシュレス化がまさにそうです。

 グループの一部のスーパーマーケットでは、「スキャン&ゴー」というスマホアプリで商品のバーコードを店頭で読み取り、登録したクレジットカードですぐに決済できるサービスを始めています。

 そうした多様な決済方法・決済手段に、事業者としてスムーズに対応することへの顧客ニーズは、かなり大きくなっている印象です。

 現在グループとしてクレジットカードや電子マネーの「WAON(ワオン)」を扱っている中で、今後それをどう競争優位にしていくのか。それが目下の課題という認識です。