セブンDX敗戦#18Photo:Bloomberg/gettyimages

巨額の資金を投じたセブン&アイ・ホールディングスのDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略の迷走は、セブン-イレブンの加盟店オーナーの目にどう映るのか。日々の売り上げから少なくない額をロイヤルティーとして本部に“上納”してきたオーナーたちからは、絶望とも怒りとも取れない声が上がる。特集『セブンDX敗戦』の#18では、加盟店オーナーに覆面座談会で本音を暴露してもらった。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

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伊藤家に逆らうと手も足も出ない?
見せつけられたドロドロの権力闘争

A氏:東日本の男性ベテランオーナー
B氏:西日本の女性ベテランオーナー
C氏:東日本の男性オーナー

――セブン&アイ・ホールディングス(HD)の「DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略」の混乱を、加盟店の皆さんはどう受け止めていますか。(特集『セブン&アイ「DX崩壊」が内部資料で判明、創業家・ITベンダー・コンサル…乱心の大抗争』参照)。

A DXの中身や成否はともかく、まず、あまりにもドロドロとした権力闘争を見せつけられた感じですね。伊藤順朗常務執行役員など、「伊藤家」を本気で怒らせると、他の幹部は手も足も出せないということを、井阪隆一社長らは思い知ったのではないでしょうか。

B (本特集#3)『【スクープ】セブン&アイ創業家がDX担当役員を“公開処刑”、社外秘動画「見せしめ御前会議」の全容』には驚きました。これはえげつないやり方だなあ、と。DXの旗振り役として外部から起用された米谷修氏を追い出すことを目的に、わざわざ膨大な報告書まで作ったのですから。ただし、外部の専門人材によるDXそれ自体は必要でしょう。今回の一件で、その可能性をつぶしてしまったのではないかと心配します。

C そうですか?私たちが苦労して本部に“上納”したロイヤルティーのお金が、DXのために湯水のように使われてしまったことに、私は腹が立ちますけどね。