セブン&アイ・ホールディングスの「デジタルトランスフォーメーション(DX)敗戦」を巡り、ガバナンス不全が生じたとするダイヤモンド編集部の報道に対するDX部門トップ、齋藤正記・セブン&アイ執行役員の見解とは。特集『セブンDX敗戦』の#17では、齋藤氏に今後のDX投資の方針とともに、ITベンダーやコンサルティング会社との関係がどう変わるか聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 名古屋和希、大矢博之)
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DX投資は「計画を持ち実行」
「財務ガバナンス」は機能
>>インタビューの前編#16『セブン&アイDX担当役員が「DX敗戦」に緊急反論!幹部退任の理由、全社員に伝えたこと…』はこちら
――ダイヤモンド編集部が入手したセブン&アイ・ホールディングス(HD)の内部資料の中で、DX大号令によるガバナンス欠如の懸念が指摘されています(特集#7『【スクープ】セブン&アイDX部門の人員「1年で3倍超」、ヒトとカネの急膨張が招いた大暴走』参照)。
2020年の段階で、長期的な経営視点に基づいて5カ年の投資計画を策定しています。デジタルトランスフォーメーション(DX)関連の投資は当然、計画性を持って実行されています。
もちろん施策を進める中で、予算の増減は出てくることになりますが、予算の執行に当たっては、経営の承認を得た上で、優先順位に基づいて進められています。
私自身はまだグループに参画してから日が浅いですが、セブン&アイは予算の管理に厳しいイメージを持っています。
外部から見ていたときは、「丼勘定」のような部分があるのかもしれないと思っていましたが、全く違いました。
もちろん(前任のDX部門トップで元執行役員の)米谷修さんが予算を好き勝手にできるようなこともあり得ません。
米谷さんとはよくコミュニケーションを取っていたので、確かに「この案件は許可が必要だよね」などとお互いにぶつぶつ言うことはありました。
ただし、必要なステップは必ず踏んでいました。財務ガバナンスは十分に機能しているといえます。
――DX戦略を巡って、新顔のITベンダーが参入し、「摩擦」を生んだとされます(特集#2『【スクープ】セブン&アイと野村総研の蜜月に横やり、DX担当役員の「不始末」に創業家激怒』参照)。今後、ITベンダーやコンサルとの関係はどうなるのでしょうか。